東濃西部エリアは日本を代表する陶磁器の生産地であり、岐阜県経済にとって重要な役割を担っているが、ここ20年毎年出荷額が減少し、厳しい状況が続いている。平成18年ではその出荷額において日本の飲食器類の35.5%、タイルの39.0%(岐阜県東濃農林商工事務所調べ)が本地域で生産されている。
しかし、新築マンションの減少、安価な海外製品や他の素材との競争が厳しく陶磁器産業は年々縮小傾向にある。事業所数は30年前の半分以下、従業員数は4分の1にまで減少している。特に海外低賃金を背景とした低価格品との価格競争は熾烈であり、これまで生産効率の向上による大量生産、安価品の大量販売で対抗してきたが、これも今や限界となっている。
また一方ではギフト、ブライダル市場の縮小と大家族での食事、冠婚葬祭などの各家庭での会合が少なくなったなどにより、今や食器が生活必需品でなくなり需要を一層減少させている。したがって今後このような価格競争を続けて、何も手を打たなければこの陶磁器産業の縮小壊滅は時間の問題であると思われる。
都市エリア産学官連携促進事業は、この地域内企業が有する成熟産業としての陶磁器生産の高い技術力と大学等の「知恵」と従来の陶磁器製造技術の他に先端的な技術開発を行ってきた域内の試験研究機関の技術シーズを融合して新製品・新技術開発により地域産業の高度化と新規産業の創出を図るものである。本エリア内には名古屋工業大学セラミックス基盤工学研究センター、岐阜県セラミックス研究所、多治見市陶磁器意匠研究所、土岐市立陶磁器試験場、瑞浪市窯業技術研究所等の試験研究機関が集中しており、これまで蓄積されてきた陶磁器の生産に関する様々な製造技術のノウハウ、またそれらを応用した最先端の研究シーズを有している。
(財)岐阜県研究開発財団はこれらのシーズと地場陶磁器産業の製造技術を融合させて「陶磁器の次世代製造技術開発」を揚げて平成17年より開発に取り組んできた。